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■■□■■  物┃流┃現┃場・見┃た┃ま┃ま・感┃じ┃た┃ま┃ま┃   □
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□■■    2011/1/5 NO.424             □□■
■■     『たそがれ時に星をつかむ』頼れるのは身内だけだ  □□■□
■      物流改善のヒントhttp://avance-tokyo.com    □□■□□
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■新年おめでとうございます。今年もご愛読をよろしくお願いします。歳末から
街の賑わいは昨年と変わらないような気がしました。デパートの福袋は行列を呼
んでいましたが、売れても売れなくても誰かのボーナスに換わった話を聞きませ
んから、並みの出来事だったのでしょう。ご祝儀相場もあったようですが、依然
としてデフレ傾向は止まらず、景気刺激策も刃折れ矢尽きた感じです。

●景気予測が沢山出ていますが、政策だよりは打ち止めになったせいもあり自動
車も家電も住宅も一息ついているどころか一層苦しくなってきているようです。
反動を支えるために再びポイント制度を取り入れるなんて、身を削るだけですか
ら減収増益へのシナリオにはなりません。

他力本願で効果が出たのは20年以上も昔のことで、その意味では政策による景
気回復は20年間ずっと不調でした。今年も頼るものはなく、たそがれが続くの
は確実でしょうね。光明を見出すには自分たちの努力しかないことを改めて感じ
た正月です。

●マクロ経済、ミクロの動き、業界の感触とニュースによる消費者の動向に気づ
いても行動を変えなければ、一人当たり収益や給与が上がることはありません。
金額と率、商品ミックスと事業収益のそれぞれをきちんと見て行くことが大事な
ことは当たり前としても、今年こそ再びリストラに走ることは避けなければなり
ません。

就職率が下がっている業界に悪いニュースはつき物ですが、方やしっかりと一人
当たり売上が伸びて、人手が足りないと苦戦しているベンチャーもあります。
大企業ではなく、上場企業ではないので学生は寄ってきませんが、これから数年
間は成長軌道に乗りそうな業界があります。これこそが低迷している製造流通業
界を超えたサービス業や特殊な技術を売り物にしているベンチャーです。

一言でベンチャーを定義付けるなら、ぶら下がり社員や中間管理だけの職制がな
いことでしょう。一人一人の収益や生産性がはっきりしていて、給与は最初は少
なくても、稼いだだけ手にできる小回りや評価の制度ができていることです。

大手の通信販売=無店舗小売業はスタイルが変わらないから、一握りの不心得者
によって業界の信頼を失墜させてしまいますが、きちんと顧客管理を行い、リピ
ート率を高めている企業では商品が足りない、人手も足りないとうれしい悲鳴に
追われています。

●小さなブランドショップもアパレルだけでなく、趣味や嗜好品、健康食品や化
粧品などにもきちんと顧客満足を高めてきている業態が存在します。共通してい
るのは、働く人々の元気が源になっています。みんなで考え、皆で強みを磨き上
げて競争を勝ち続ける活力があります。

何より仕事を楽しみ、顧客とのやり取りに生きがいを見出し、リピートをつない
で口コミで名簿を増やしています。
扱う商品は訳あり価格や二次流通というカテゴリーに特徴があります。小売業の
品そろえに勝つためにネットを生かし、正直に品質を追求しているからです。
業務の効率化指標はあくまでも一人当たり生産性や売上を上げるために、改善と
いうより強さを圧倒することを目指しています。

物流部門だってただ運ぶだけでなく、きちんとメッセージを届けるという役割を
持たせて、商品と同時に感謝と感動を探しています。

●昔、御用聞きという営業と物流が一体化していたときには、名簿のブラッシュ
アップは現場で行っていました。話題や見聞したもの、雰囲気や感想を丁寧に集
めて次回の商談に備えていました。マスマーケティングの時代でもデータ分析に
追われるのでなく、きちんと趣向分析を行っていた企業は今でも健在です。

優れた小売店や美容院は顧客カードこそが最大の蓄積として、従業員に知らしめ
てきました。通りすがりの来店客に応対するのではなく、固定化を図ることイコ
ール生涯収益の源と考えていたからです。
これを実現してきたのが和装や宝飾、究極は骨董品扱いの商人でした。

●骨董品といえば京都や青山などの集積地が有名ですが、それ以外にも多くの商
店が今でも生き残っています。誰に何を売ったか、誰が何を欲しがっているか。
そのためにはいくらで売ったものをどれくらいで引き取れるか、まるまる情報だ
けで商いとしています。手持ち在庫に頼らず情報にすべてを掛けた商売ほど効率
が良いわけですね。しかも地方行商も行っていましたから、無店舗通信販売も兼
ねていたわけです。

日本には昔から商法が成り立っていました。60年前の戦前にあった商売は今で
も確実に残っています。マーケティングというより、古来の商法が生き残ってい
るなら学ばない手はありません。本で調べて自分で実行すること、これ以外には
ありません。人から教わって、効果がないと嘆くのはちょっと待った。

●マスマーケティングは怠け者の商法でした。程よい商品を安く大量に売ること
に、難しい技術や理論はありませんでした。確かに物流の難しさは工夫の余地が
あり、大量販売を支えたのは物流の努力でしたが、その効果が薄れた途端に怠け
者は低落したのが最近の事例です。

店を大きくする、規模の経済性だけを追求する、効率とは量との戦いだと定義付
けていては変化の時代には残れませんでした。

中小中堅零細の戦略はニッチと差別化と優位性の発揮。下位を叩いて上に上がる
商法が正攻法ですが、これを実践するのは難しいようです。
昔、松下、今、居酒屋、共通するのは京セラ稲盛会長が目指したアメーバ経営。
小グループ独自採算性による開かれた経営スタイルです。

一人ひとりがコストと利益に敏感で、一人当たり売上、一人当たり利益、給与額
を目標に全員営業、全員経営に徹したところが日本流のモデルでした。

●売れる商品がないと嘆くより、売るための顧客接点を深める工夫が御用聞き商
法だし、足で稼ぐ営業スタイルです。今なら顧客カードの充実でしょう。
物流業界はヒト貸し、車貸し、倉庫貸しから付加価値サービス業に転換したとこ
ろが業績好調です。何より作業売上の多いところに利益が生まれます。

総労働時間管理もできずに月次収支が改善できないのは笑止千万。倉庫も車も資
産は24時間使い切るまで回転させるのが工夫の見せ所。シャッターを閉めたら
コストだけが掛かるのだから、昼に夜に荷物を探すのが本来の姿。

倉庫で作業がないなら、生産工場をのぞいて見ればそこには物流の仕事がまだま
だ残っています。生産工場と物流倉庫の違いを定義付ける必要は全くないのです。
配送と販売を区別する必要もなく、何でも手がけるまで学習と研修が付加価値の
源です。

●明るい話題を探すには、明るい現場を作ればいい。自分たちだけが取り込める
果実を探して行けばいい。新聞やニュースでうまみのある記事を探すのでなく、
自分たちで生み出すことが残された道です。そのためには従業員全員の名前が飛
び交うような職場を目指して、オープン経営に徹して、どこよりも優れた圧倒を
合言葉に励むしかないのです。

たそがれ日本にアケボノを求めるのは自らと決意するのが、今年の方針でしょう

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