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■■□■■  物┃流┃現┃場・見┃た┃ま┃ま・感┃じ┃た┃ま┃ま┃   □
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□■■    2011/2/5 NO.427            □□■
■■     『お客を満足させる』公式も欠陥もある       □□■□
■      物流改善のヒントhttp://avance-tokyo.com    □□■□□
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■顧客満足経営を続けなければ、顧客の支持を失い、売上が下がり、経営のコス
トを払ってもらえなくなる。意外と単純な公式が顧客支持=売上高というもので
意外な欠陥が心理と勘違いにあるようだ。

●♪♪何も良いことがなかったこの国で♪♪みたいに、節分を過ぎてようやく春
の兆しを見つけるようになりました。数字的な成長も金額の伸びも叶わないこと
がわかってから、競争は激しいものではなく確実な積み上げだということ、無謀
な戦術は必ず成功しないこと、安値で売り抜けるにはしっぺ返しが待っているこ
となど、緊急事態の失策を反省する余裕が出てきたことです。

●現場に意思決定を任せて、企業組織を逆三角形に描いたSAS航空のヤンカー
ルソン『真実の瞬間』という本がまだ並んでいます。Moment of the truth と
いうのは、闘牛士の最後の一刺しを意味して、嫌いかスキか、怒るか笑うか、買
うか買わないかという、瞬間はまさにお客と企業の真実の瞬間に左右されます。

ミスや事故で大クレームになっても、上手に乗り切れば顧客喪失ではなく、固定
化層の拡大につながったという話もよく聞きます。相手の立場に立って、きちん
とした姿勢で応対すれば、怒りも収まり信頼につながるのだという訓話もありま
す。
姿勢とは誠実さの表現であり、目の位置であり、表情に表れた様子なのでしょう

●イライラと待たせているレジの行列で、ようやく順番が来たときにニコリと目
が合えば正解。横を向いたまま、いらっしゃませと言われてもよけいな挨拶だと
さらにイラッとすることもあります。

通販申し込みの電話口で商品説明に手間取ったり、顧客情報の検索にいきなり電
話保留されたりすると、数秒間の待ち時間がどんどんいらつく原因になったりし
ます。
心理や体感による数値をもっと理解しておく必要がありますね。

なぜマックは1分少々お待ちください、とわざわざ数字を言うのでしょう?
電話を保留にしないで、奥の方で話している様子を聞かせる会社があるのか?
居酒屋でテーブル注文の時に膝ついてオーダーを受ける店もあれば、卓上端末で
勝手にやってねという店もある。
新人は挨拶もぎこちなく、数秒長めの頭下げをしているから、追加のオーダーも
受け取ることができる。
書店やベーカリーで手提げカゴを使わせるから、買い上げ点数が伸びたり、単価
が上がることに「買わされた」とは思わない。
ずらりとうんちくを書き並べた店もあれば、赤字の取消線だけで価格を見せるの
もある、店舗内滞在時間を伸ばさせようとしている店もあれば、ドライブスルー
を銀行まで取り入れることも出てきた。


●伸び悩みは自分だけではなく、競合もそうだから抜け駆けすれば勝ち。競争に
激しさなんてなく、スマートさが勝負になってきた。大合唱で改革を唱えるので
なく、一人一人が見つけたアイデアに便乗すれば革新的。一人の力を信じれば、
サッカーでも野球でも企業でも勝利を手にできる。チームワークとはそういうも
のだと信じる土壌と風土を育てなければいけない。

もっと上、あるべき姿、正すべき習慣とムダの発見、確かにそうか?むしろ間違
いではないか。もっと中を見て、手抜きを止めて、良いことだけを際だたせる長
所育成の現場運営や組織の形を作り出さなければ、しぼむマーケットでは競争に
負ける。

●放っておいたら毎年2割の顧客が脱落して、また新規を開拓しなくてはならな
い。それより、お客を脱落行方不明にしないための工夫と努力は遙かに少ないエ
ネルギーで自分もお客も嬉しい作業につながる。

顧客満足経営の具体化をそろそろ真剣に考える必要がある。同時に自分たちの生
活と仕事と経営と会社のありようも、目先から視点を先に延ばす必要がある。
長期的にはみんないなくなるから、中期の10年を計画に織り込む必要がある。

これからの10年をどんなテーマと目標で過ごすのか。どうやって顧客を失わず
に、単価を上げて、回転を上げる方法を探してゆくのか。今の商品やサービスの
代替をどう見つけてゆくのか。

そのためには、ソシエテモデルという理想の顧客像を造って考える訓練が必要だ。
安い早い便利は理想ではない、気まぐれにすぎない、ソシエテモデルはなぜあな
たを選び続け、使い続けるか、その理由とベネフィットをどこに感じるか。
それらを突き詰めれば、10年の間に会社はどう変化しなければならないか、何
を提供するためにどんな変化や改造、進化が必要なのかが見えてくる。

どうしても気付かないなら、あなたは10年通い詰めた店やサービスの優れた見
本を理解できていない。または、周りに優れた店とサービスがない悲劇の人物な
のかだ。

●人口が50年経つと1億人になる、東京オリンピックまで規模が下がる。
家も車も生存必要台数ががくっと下がる。10年のウチに給与は倍増しない、店
は激減しない、けれども若人が減り、流行が変わる。そんな幕が上がったことに
そろそろ直視してゆかないといけないのだ。

ステージが変わることも節分の隠れた意味にあるようだ。





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