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■■□■■  物┃流┃現┃場・見┃た┃ま┃ま・感┃じ┃た┃ま┃ま┃   □
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□■■    2011/2/15 NO.428            □□■
■■     『競争よりも協調を選ぶ』物流の公理と意義     □□■□
■      物流改善のヒントhttp://avance-tokyo.com    □□■□□
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■景気が回復することを待つのは依存であって自立ではない。政治や荷主、生産
や販売の復活を祈るのは止めて、自活の道を探れば考えるべき道がある。

●日本の基幹産業、大企業も慌て始めているのが確かになった。株価が半年先の
動向を読みとっているように、大手の経営戦略は統合とM&Aによる規模の追求
になってきている。独立自尊の志はマーケットからはあまり指示されなくなり、
存続のための経営統合、事業合併が話題をさらっている。営業部門の競争戦略に
かげりが出ている証拠だ。

生産部門のアジア進出も依然として活発であり、製造販売共に自活を失いつつあ
る。厳しい時代と言えば簡単だが、経済が成熟して消費が変化している以上、従
来の経営が立ちゆかなくなるのは仕方のないことだ。無謀な成長は環境問題以上
に国際紛争まで行き着かないと気が付かない。

●新しい商品、新しい生活から別の視点での豊かさを求めるなら、売ることも作
ることも控えてゆく生活に代わってゆくだろう。幸福指標を探しているのだから
新しい自動車や住宅ではなく、文化や歴史伝統やアートに向かう。

工場や販売機関に所属する物流には大転換の時代が始まっている。昨日と同じ仕
事は明日には姿を変える。競争相手を意識した高速物流が、共同化とスローダウ
ンに価値を生み出そうとしているのだから。
社会に必要な物流の仕事は適時適量であって、高速高精度ではなかった。環境配
慮や社会への貢献を考えるなら、国営公社のような安定性が本来の姿かも知れな
い。国営企業はソ連や中国を見ると停滞と失策につながるが、自律性を与えるこ
とで合理性は確保できるのではないか。

●大手上場企業が目指している経営統合は、生産販売物流の共同化といえる。経
営陣のスリム化は間接部門の合理化につながり、銀行店舗の交差点立地は片方で
済むようになった。サービスは低下していないし、まもなく日本の基幹産業に返
り咲くだろう。金融業界のもっぱらの話題は、プルーデンス政策。つまり欲望の
抑制政策だ。利益が金融機関の目的になっていたから、社会問題になり、不祥事
や経営不安が生じたからだ。アメリカの金融改革法案も、日本ほどのメガバンク
は地域に分散していて地域を忘れたばくち経営は許されない。

経営者が独創性と新機軸を打ち出すには組織ではなく個人のベンチャー意識だか
ら、大手は合従連衡して個人は創業を目指すのがこれからだろう。100万人ベ
ンチャー構想によって、新しい産業が巣立つのも応援することがこれからの政策
になっているのも頷ける。

●物流業界も再編統合が話題になってきた。規模を追うならM&Aが常套だし、
地域の密着度を高めていっそうのサービス化を進めるには小振りの企業がふさわ
しい。地域での統合がさらに進むのは確実だし、従業員の生活と給与水準の維持
向上にも無謀な競争は避けるに越したことはない。存在意義を失った物流子会社
が機能を評価されてM&Aの手段されるのは当然の流れだし、大手同士の経営統
合もさらに進むだろう。競争よりも協調物流の実現は理にかなう、そして環境や
合理性、省エネ、社会コストの節減にもつながる。

協調は撤退ではなく付加価値の創造と新しい改善改革の道を進むことになる。異
文化となっていた競合との協調が、正反合の流れを経て新しい世界が広がる。
幸福指標を支える一人当たり賃金や付加価値増を目指した経営が視野に入る。

●競争のために堪え忍ぶなんて、考えてみれば前線支援の戦争状況と似ている。
存続のためにリストラするのも利に反するし、先見性の失策を繰り返すことに似
ている。緊急出血を止めた次の手は、冷静さであって別の道を探す余裕が実はな
いことに気づかねばならない。人口が増え、消費が拡大しているときには失敗も
復活戦を待てば良かったものがルールが変わったことを忘れていた。

我が国は成熟期にあり、右肩下がりにある。それでも幸福を追求するために辛抱
するでのはなく、新しい足りるを知る時代になっている。

無謀さに気づき、協調によって競争を避ける事が賢明な戦略になっている。
他社に学び、他社と学ぶことが業界や産業にとって必要だというのが、オープン
経営、顧客支持の秘訣だろう。競争停止は怠慢ではなく生存の公理なのだ。
協調を持ちかけられたとき、始めてそこに恥とプライドの違いが表出する。だか
ら現場の改善は進めなければならないし、魅力を示さねば選択すらされなくなる。

●協調に必要なものは尊重と敬意、格付けだ。人は会話すら相手を無意識に選ぶ。
ビジネスならいっそう意識的にも表面的にも選ぶことが条件だ。選ぶものは選ば
れる資格と格を持ち、選ばれるものは相手に格を求めている。
都合で選ぶなら、妥協で苦労するものだ。

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