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■■□■■  物┃流┃現┃場・見┃た┃ま┃ま・感┃じ┃た┃ま┃ま┃   □
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□■■    2011/5/25 NO.438              □□■
■■     『東北復興の陰ひなた』社会ニーズに応えること   □□■□
■      物流改善のヒントhttp://avance-tokyo.com    □□■□□
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■大災害で失われた多くの魂と被害に遭われたみなさまへお見舞い致します。
そして全力で奮闘している全国の物流マンに深い敬意と感謝を致します。

●東日本再生のための様々な施策が具体化してきた。連休明けに支給されると言
われていた義捐金の配布から始まり、福島県の原発被害者への一時金も実行され
て、ようやく遅かった支援に笑顔の便りが届くようになった。

遅まきながら先週、東北行脚をしてきました。宮城、岩手、青森の旧知を訪ねて
その時、あれから、今、どうしているかを伺うことができました。
「何より実務家は強い、事実の重さを肌で感じた」ことに尽きました。
東北の人びとは言葉も少なげに『一時的にせよ、若い人がボランティアで手伝っ
てくれたことは、過疎の村には明るい元気がみなぎったよ。』すぐには直らず、
まだまだ時間と季節が巡るだろう事を知りながら、人なつっこい笑顔が印象的で
した。

●がれきの山をどかして、そこに町や生活の営みを作るには、気の遠くなるよう
な時間とお金が必要です。一気呵成に成し遂げようとしても、元に戻すだけでは
ないところに思案が必要なのです。産業と生活は切り離せないし、もともとそれ
ほど人が多く、豊かな産業が育っていたわけではないから、家と工場を建て直す
だけでは、十年の復興歳月では周回遅れになるのです。

だから、国難として日本中が東日本の再生を正しく考え、時節に流されない新た
な国造りを願っているのです。堤防を作り、道路を直し、畑や山林を整備するの
では、これからの地域興しにはならないからです。

●復興構想会議7原則が公開され、これに従って東日本のコンセプト作りが進ん
でいます。再び津波で流されることのないように、広域の自然公園が準備される
でしょう。住まうのではなく、自然エネルギーの製造であるかも知れないし、新
しい自然観光の名所に代わるかも知れません。

どんな国造りになるのか、私たちも覚えておく必要があると思います。

原則1:失われたおびただしい「いのち」への追悼と鎮魂こそ、私たち生き残っ
た者にとって復興の起点である。この観点から、鎮魂の森やモニュメントを含め、
大震災の記録を永遠に残し、広く学術関係者により科学的に分析し、その教訓を
次世代に伝承し、国内外に発信する。

原則2:被災地の広域性・多様性を踏まえつつ、地域・コミュニティ主体の復興
を基本とする。国は、復興の全体方針と制度設計によってそれを支える。

原則3:被災した東北の再生のため、潜在力を活かし、技術革新を伴う復旧・復
興を目指す。この地に、来たるべき時代をリードする経済社会の可能性を追求す
る。

原則4:地域社会の強い絆を守りつつ、災害に強い安全・安心のまち、自然エネ
ルギー活用型地域の建設を進める。

原則5:被災地域の復興なくして日本経済の再生はない。日本経済の再生なくし
て被災地域の真の復興はない。この認識に立ち、大震災からの復興と日本再生の
同時進行を目指す。

原則6:原発事故の早期収束を求めつつ、原発被災地への支援と復興にはより一
層のきめ細やかな配慮をつくす。

原則7:今を生きる私たち全てがこの大災害を自らのことと受け止め、国民全体
の連帯と分かち合いによって復興を推進するものとする。

●再生した地域にはどんな産業が必要なのでしょうか。工場を建て直せば、同じ
ように製品と販売が可能になるのでしょうか。それは、10年後も確かなのでし
ょうか。

経済成長が止まって消費も退行しています。東と西では温度差があるとはいえ、
西の経済力だけで東を支えることはできません。10年では失われた20兆円と
も言われているインフラや住まいを直すことで、本格的な新しい産業や農林水産
業が完全復活することはとても厳しい計画だろうと思います。

もちろん、物流活動がいっそうの尽力と工夫によって、東西日本の一体化を図る
ことができたとしても、時がいつまでも待つとは思えません。

●新しいニーズや製品、サービスを生み出すために、一つのヒントを提示しよう
と思います。

人は災害によって町とコミュニティーの大切さを実感します。一人では生きられ
ない、家族だけでは生活すら成り立たないことを失われた地域や土地、風土や歴
史を直視することになりました。

世の中にどうしても満たされないニーズ、心から欲しがっていて手にすることを
諦めてしまいそうな問題、課題、製品やサービスがあることに気づきます。
人の欲望やわがまま以上に渇望しているもの、それが社会ニーズというか、事業
やサービスの原始だと思います。

■いつまでも健康で、毎日の生活で栄養の不安を解消したい
■人生のそれぞれで、狭くても便利で快適な住宅を手に入れたい
■自分の手にするお金を有意義に、賢く、ムダのないように使う方法を知りたい
■地球と環境をこれ以上汚染させることのないエネルギーや社会を作り出したい

従来の医療・住宅・金融・エネルギー産業に答えはアリマセンでした。

わずか4つの願いは、今までもほとんど実現できていません。お金持ちですら、
世界を探し回っても、常に渇望して次の商品、サービスを探し続けて、未だに手
に入れることができません。

何も不老不死の薬を求めているわけではなく、快楽と悦楽、怠惰と休息だけを求
めて居るわけでもないのです。

●人が安心して暮らすために、いったいどれほどの薬とお金とモノが必要でしょ
うか。企業やサービスが提供しているのは、ほんの一部分にしか過ぎず、さらに
不十分で不完全で、そして果てしない探索を続けているのが現実です。

復興構想会議名誉顧問の梅原猛先生は、この度の災害を文明の災いと呼びました
意図したことは経済合理性への畏れでもあり、社会制度の破綻であるかもしれま
せん。景気と成長がピークを迎え、人口と労働者がこれから減っていくことを自
覚した日本にとって、災害は悲劇ですが、きちんと居住まいを正すよい機会と見
れば国家100年の計も新たに見て取れるかも知れません。

社会ニーズの上に個人のニーズがなければおかしいし、市場主義が個人独走を許
しているわけでもないのです。

さて、今までにない新しい産業やサービスが、広く社会のためになり、私たちの
渇望を癒してくれるなら、この復興は日本の真の再生につながることでしょう。
すべての産業と人びとの生活に物流は欠かせません。ただ、安く早く正確に行う
だけでなく、社会の期待と地域再生に役立ちたいと願わない人はいないのです。

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