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■■□■■  物┃流┃現┃場・見┃た┃ま┃ま・感┃じ┃た┃ま┃ま┃   □
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□■■    2011/10/15 NO.451              □□■
■■     『この際区切りをつけよう』新聞も世論も正しくない □□■□
■      物流改善のヒントhttp://avance-tokyo.com    □□■□□
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■大災害で失われた多くの魂と被害に遭われたみなさまへお見舞い致します。
そして全力で奮闘している全国の物流マンに深い敬意と感謝を致します。

★★★★★今週発売!! 日刊工業新聞『物流リスクマネジメント』★★★★★★
東日本大震災の事件を経験して、私たちは次の世代に何を遺さねばならないでしょ
うか。災害は忘れた頃にやってくる、という現実を受けて、ビジネスマンや事業の
継続を続けるためには、100年以上の企業が数万社もある反面、災害を契機に事
業停止や廃止となる企業がありました。

救急医療や人命救済に物流マンの役割も高く評価された、今回の事件を通して、物
流が持っている強さと意義を整理しました。

いざというときには、自分で守り、遺すための『みんなのBCP』を考え出しまし
た。自然災害のデパートのようなアメリカでのFEMA(危機管理庁)や東北企業
の取材も含めて、180ページに一気に仕上げています。

日刊工業新聞『物流リスクマネジメント』−止まらない物流、最強のBCP 
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●今、世間は2つのことで話題が揺れています。外交問題に発展しそうなTPP
(環太平洋経済連携協定)と内政に関わる復興財源の問題です。

新聞や世論では、これ以上の円高を阻止して産業の空洞化を防止するのが最優先な
のだから、関税解放によって外国産農産物が流入すれば、農水産業までも被害を被
るから反対派が熱心です。ちょっと前に「平成の開国」宣言を実行しようとしてい
るわけですが、製造業の不振が課題観を大きく変えてしまいました。

●復興財源の話題は、「失われたインフラが17兆円分あるし、町や村の復興に自
治体財政補填が必要」だから、広く全国民で負担しなくては、という世論が誘導さ
れています。財政改革がちっとも進まないのに、増税という道筋だけを先に付けて
おけば、税と社会保障の問題は決着に近づくだろうという目論見が見えています。

●円高は止められないし、製造業の外国移転も止められないでしょう。電力供給不
足問題が残っているし、輸出では差損ばかりですから。困った問題ですが、時代の
流れや原理原則を曲げるわけにはいかないのです。容認ではなく、公式通りの傾向
がこれからも続きます。

円高対策として何回もドル買い介入をした結果、ドル準備金が80兆円もあるし、
アメリカ国債も同額を日本が負担しています。

それでも円高を止められなかったし、すでに為替損で40兆円ほどになっているは
ずです。これこそが、日本国が持っている資産の実態ですから、これを取り崩せば
復興財源はまかなえるし、ドルが道路や駅、学校病院などの社会資本に変わるだけ
ですから、資産が減るわけではありません。

●製造業には厳しい時代ですが、すでにその傾向は前から始まっていたし、成長も
止まっていました。何より新しい商品を生み出したとしても、技術にこだわるばか
りでIPAD2の原価60ドル分にしかなっていません。
総原価は168ドルと公表され、アップルは粗利68%のビジネスを知的産業とし
てスティーブジョブズが遺していったのです。

●農水産業も国策支援で帳尻が合うような小規模産業でしたから、補助金、助成金、
免税、減税の屋台骨が細ってくるのは目に見えていたし、TPPという外圧によっ
てこれを中断するなら、財政は実はほっと一息付ける事態になっているのが現実な
のです。

電力供給の不安は、円高によって原油と天然ガスがかなり安くなりますから、料金
問題は解決できるでしょう。でも、夏場は凌げたけれども同じような供給制約がこ
の冬も必要になります。

生産不況が続くことは仕方のないことですし、世界同時の経済格差問題が日本にも
大きく登場してくることでしょう。

●この際、はっきりと不況からの脱出のために、新産業、新規開拓、できれば知的
付加価値によって粗利益68%を目指しておく必要があります。一人当たり給与の
低さを、これによって大転換を図るのです。商品やサービスの質を変え、競合より
優れた特徴をきちんと打ち出し、他社が値下げするなら当社は値上げできるような
性能を研究しなくてはなりません。

売るために価格を下げる手に出たら、二度と元に戻れなくなっていたのは経験済み
ですから、はっきりとした特徴と差別化を打ち出さなければなりません。

●同じ性能・機能なら安い方が良いでしょう。けれども、優れた品質や機能を打ち
出せれば、アジアの富裕層でも購買意欲はたくさんあります。
上海の回転寿司でも1皿1貫3000円のマグロが出回っているのです。
なにより3億人の富裕層が集中する都市では、ユニクロ以上に日本の産品がこっそ
り買い手を待っているのです。

そこには、かつて日本でもはやっていた高級ブランドの二次製品や高級車、高いサ
ービスの提供ができるはずです。
コストを下げるために国境を越えるブームは、そろそろピークを過ぎる頃です。

●迎合と追従を順張り商法と呼び、独創と独走を逆張りと言います。チャンスは少
ないですが、先行利益や挑戦利益が確実にあるはずです。別の意味でのブルーオー
シャンかも知れません。

本来のブルーオーシャンもまだまだ可能性があります。低機能低価格でアジアへ向
かえば、そこにはまだ市場があります。円で決済するから差損が出るわけで、円で
雇った外国人を送り込む商社や販売代理店を作れば、これも逆バリですね。

これからの数年間は、低迷からの脱出が誰にとっても重大な課題です。目先や足下
の些末な問題解決より、少し視野を広げて、強みと心理状態を強く保つことが大事
でしょう。

ドラッカーは、読み直すと良いことを予言していました。
グローバリズムとは、中国での車が写真から現実に変わること。つまりは意欲、心
理、爆発的な欲望なのだよ。

私たちの親も昭和40年代まで、『いつかは、クラウン』というCMに心躍らされ、
切望し、蓄積して、やっと手に入れたらしいのです。
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