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■■□■■  物┃流┃現┃場・見┃た┃ま┃ま・感┃じ┃た┃ま┃ま┃   □
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□■■    2011/11/25 NO.455              □□■
■■     『新しい覚悟』脱製造、脱流通の物流        □□■□
■      物流改善のヒントhttp://avance-tokyo.com    □□■□□
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■大災害で失われた多くの魂と被害に遭われたみなさまへお見舞い致します。
そして全力で奮闘している全国の物流マンに深い敬意と感謝を致します。
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★花房出演★12/7(水)15:00〜後楽園富士通マーケティング BCPセミナー
『物流におけるリスクマネジメント震災からの教訓と事例』

★あらゆるリスクに備えたBCP策定手法
リソース喪失シミュレーションと具体的対策、物流から見たリスクマネジメント

異なるアプローチによるBCP策定、具体的な対策についての手法を御紹介します。
1.アメリカFEMA(危機管理庁)にあるBCPモデル(安否確認とサバイバル)
2.災害やリスク想定からリソース喪失50%のケース計画
3.みんなのBCPを集めて、業務再開を目指す
4.安否確認、スピーディーな復旧の次に考えること
5.スペア、バックアップ、代替リソース(要員、器材、設備、システム)確保

http://www.fjm.fujitsu.com/solution/seminar/2011/tokyo/111207bcp.html
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●もうすでにお気づきかも知れないが、政府や経済産業省から発行されている新
経済成長戦略では、既存の産業について触れているところは一切ない。
 さんざん助成や補助金で、自動車、家電、住宅産業と支援を続けてきたが、今
やほとんど効果を生まずに、主力産業は自ら空洞化、日本を離れる事に突き進ん
でいる。

●ものづくり大国を目指す、というスローガンは、職人技の中小企業や全国の伝
統工芸を支えるかけ声に終わっていて、バイオやエコ、先端医療などへの支援策
は、実際にもモノづくりではない。コトつくり、サービスつくりと言えるだろう。

最近の円高傾向への対策も、口先介入というアナウンス効果しかなくて、ほとん
ど長続きしていない。80兆円もの準備基金と毎回毎回数兆円規模で介入する=
ドルを買って、円を売る=ますますドルが貯まり、仕方がないから米国債を購入
しているのが実態。

●そもそも、世界で見れば円高なのは相対論であり、ドルが信頼を失っているこ
とになるからだ。円高を被害者意識で見るのは、かつてと言うほどずいぶん昔、
我が国の貿易相手がアメリカ一辺倒の頃を思い出しているに過ぎない。

対米貿易額はもうすでに極端に下がってきており、反面急増しているのは、対中
・対アジア向け貿易なのだ。ドルによる決済だから、円高では輸出は痛いことは
痛いが、日本のGNPに占める貿易収支合計は2%にもならないので、輸出が増
えれば輸入も増える構造では円高は、むしろエネルギー輸入に好影響と言えるの
だ。

●教訓としては、日本はとうの昔に貿易立国から脱しており、商売の先はアジア
だが、そこではあまり儲けさせて頂けていない。


●さて、東日本震災から全国に広まった一層の不況感は、生産工場での復興が進
んでいるとはいえ、自動車も家電も製品ラインナップを大幅に変えてしまった。

自動車の生産拠点は徐々にアジアに移行して、家電は製品ラインナップを大幅に
変更して、白物家電は中国提携先に委ねており、大型テレビを中断するしパソコ
ンも生産縮小へ向かっている。住宅も新築着工は、東北を除けば低迷するし、住
宅省エネポイントは全く効果が出てこない。

●日本が増税や政治の低迷にぐずっている間に、世界はすでに進んだ。BCPと
いう緊急政策によって復旧してきているが、実はすでに周回遅れになっていて、
元に戻すだけでは競争はもう終わろうとしている。

それは、工業であり、製造業であり、流通業である。残念なことに、これらの産
業は増産することや販売拡大することは、日本国内では自助努力で不可能となっ
ている。マーケットが足りない、顧客が足りないのだ。

だから、残されている道がM&Aによる企業統合であり、これによりコストを下
げて、合算したマーケットで収支を合わせようとしている。

●脱工業、脱生産、脱流通というのが、日本再生の根幹にあるのだ。では、物流
の出番がなくなるではないか、と悲観することはない。
 製造流通の低落を支えているのが、医療教育観光サービス全般なのだ。GNP
は成長鈍化しているけれども、500兆を大きく下回わるまでには至っていない。

●消費者は購買を止めたわけではなく、消費の向かう先が医療保険観光行楽飲食
と変わったのだ。災害の保険支出も障害の医療費もGNPなのである。

そして、これらの産業にも物流は不可欠なのだ。大量一括の運んでお仕舞い、と
いう物流から、サービスパーツやメンテナンス、印刷物、ビジネスサプライなど
の多頻度付加サービス付の物流へ代わってゆこうとしているのだ。いかに運ぶか、
何をサービスに載せるか、何が提供できるか、どこに顧客がいるか、そして支持
されるための必要条件は何か。


●何かを創造する?考える?
違う、知的財産というアイデアやノウハウがこれから大いなる価値を持つ時代に
入ってきたのだ。原材料素材の物流から製品物流へシフトが行われ、これからは
利用サービスの物流へ進化を進めてゆくことになるのだ。

これこそが、日本の描く新成長戦略の根幹にある物流サービスの姿だ。
18世紀は農業、19世紀は工業、20世紀は情報、そして21世紀は感性の時
代であり、個人の主張が重要なのだ。持った、行った、残るは、何が好きか。
というモノではなく過ごし方、生き方、人生そのものを考えて消費している。

そこにビジネスの残されたマーケットが確実に存在する。
それを脱工業、脱流通と呼んでいるに過ぎないのだ。

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東日本大震災の事件を経験して、私たちは次の世代に何を遺さねばならないでし
ょうか。災害は忘れた頃にやってくる、という現実を受けて、ビジネスマンや事
業の継続を続けるためには、100年以上の企業が数万社もある反面、災害を契
機に事業停止や廃止となる企業がありました。

救急医療や人命救済に物流マンの役割も高く評価された、今回の事件を通して、
物流が持っている強さと意義を整理しました。

いざというときには、自分で守り、遺すための『みんなのBCP』を考え出しま
した。自然災害のデパートのようなアメリカでのFEMA(危機管理庁)や東北
企業の取材も含めて、180ページに一気に仕上げています。

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