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■■□■■  物┃流┃現┃場・見┃た┃ま┃ま・感┃じ┃た┃ま┃ま┃   □
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□■■    2011/12/15 NO.457              □□■
■■     『サービス産業の物流』新成長戦略、国家戦略に登場 □□■□
■      物流改善のヒントhttp://avance-tokyo.com    □□■□□
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■大災害で失われた多くの魂と被害に遭われたみなさまへお見舞い致します。
そして全力で奮闘している全国の物流マンに深い敬意と感謝を致します。
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●次世代に向けた構想が始まっている。国家を支えてきた自動車、家電、住宅の
内需構造が激変して、デフレが戻らない。供給過剰というのが原因だったらしい
と言われてきたが、実はこれも予想外だった。東日本大震災と電力供給不安から
生産ギャップの5%はとっくに解消されたが依然として低価格傾向が止まらない。

予想が外れ、原因が見えなくなった時の対策は誤りである。低価格が低収入とな
り、デフレスパイラルが止まらなくなっている。それなのに、増税と特定業界へ
の助成支援策が打ち手なら、内需は戻らない。エコカー減税が復活して、将来の
消費税が増えるなら、キリギリスではないにしても賢く立ち回るのが国民だ。

●リーマンショックで打ち砕かれた金融立国再現劇場は、一人当たりの付加価値
額で国家を支えようとしていた。イギリスに倣った国家再生の糸口だったが、人
頭税にも似た政策で、やはり取れるところから徴税して、声高の業界には手心を
加えようとする政局には、見向きもできない。
いつも後だし、羊頭狗肉の政策には批評も少なくなって、呆然としか言えない。

●産業構造の転換はGNP凋落を支える切り札だが、これも理想論や政策による
支援頼りで心もとなかった。しかし、今度は最後の崖っぷち状況まで追い込まれ
た。外交の失敗からアジア、ユーラシアの脅威が高まり、ただの進出は帰り切符
がついていない。資源ナシの貿易立国だったはずの、高付付加価値製品の輸出は
止まり、かろうじて資源安になっても生産の目処がない。作っても、輸出しても
外交為替の影響で苦労が耐えないからだ。そして、工場の空洞化。

円高、資源高の傾向は長期にわたり、「理論的には国内生産の意味がない」とト
ヨタ社長が言うなら反論できない。よって裾野産業は片道切符の海外進出を待つ
だけになった。もはや国内物流に拡大の余地は全くなくなっているだろう。業界
再編、自然淘汰の勢いが加速する。

●モノがある限り、ビジネスがあるところに物流はなくならない、という視座も
危うい限りだ。業界転換するスピードも速まり、異業種混合物流はすでに大手の
独壇場にあるからだ。

運輸自由化がはじめ新規参入、後に大手統合と進むように、提携に値しない強み
のない物流企業に生き残るニッチは失われつつある。そこで、新産業への備えが
必要になるのだ。

脱工業化は言い古されてきてはいるが、確実に進んできている。
脱農業によって18〜19世紀が工業革命、流通革命だった。
20世紀は裁定取引を進めた国際化と情報化革命だった。

今、再び人間回帰が始まって訳もないものが流行し、売れて、ブームが繰り返さ
れ、カワイイに代表される感性革命ともいえる時代になっている。消費を支える
内需の主導者は依然としてヤングだが、団結力が下がり、労働人口が減り、所得
が減るのが確実だから、神通力も長くは持たないことが明らかになった。

●医療教育観光文化、環境共生、コンテンツという産業がソフト化時代のサービ
ス業界を再編し始めている。流通はいっそう財布に近づき、通販がシェアを高め
るだろうし、付加価値のある単価の高さは医療教育観光文化に頼らざるを得ない

そこで、サービス産業物流の研究開発が必要になる。多頻度少量でも結局大量物
流だったものが、まさにサービス提供の瞬間に欠かせないサービス素材の供給物
流が求められる。
大量の医薬品、医療資材、瞬間的に大量供給する教育器材と評価処理のためのテ
ストのための物流、観光手段としての交通器材に欠かせない衣食住関連物流が手
探り状態から、高度化、効率化を必要とされてきている。まだ慣れた業者がいな
いからだ。

●クリーニング、修理保守、回収とレンタル器材、リースサイクル。所有から利
用への代替というのが、サービス産業の特徴だ。たんに移動させ、陳列させ、売
れ残るのを待つのではなく、利用させ、消費させ、そして回収して再び届ける一
連の高速物流が必要なのだ。

流通小売業もサービス産業に区分されるが、最大のコーヒーショップがCVSに
変わり、金融店舗が24時間営業に代わるから、小売業態は専門店を競えないと
ころまで業態変化するだろう。顧客は財布を持って出歩かなくなるからだ。

●効率化、コスト競争力以外の視座に立った物流戦略が必要になる。
それが、これからの脱工業、脱流通、サービス産業の物流といえるだろう。
来年、これを極めて行きたい。応用と創造によって、物流業界の光明となるよう
にリード、発信を続けてゆきたい。
僅かになった今年の掉尾を準備しているところでもある。


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