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■■□■■  物┃流┃現┃場・見┃た┃ま┃ま・感┃じ┃た┃ま┃ま┃   □
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□■■    2012/1/15 NO.460               □□■
■■     『数値化、見える化』本当は、それより体感化    □□■□ 
■      物流改善ヒントhttp://avance-tokyo.com     □□■□□
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■昨年大災害で失われた多くの魂と被害に遭われたみなさまへお見舞い致します。
そして今も全力で奮闘している全国の物流マンに深い敬意と感謝を致します。
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データで語る、事実が示す、何でも見える化ブームが続いています。今日はこれ
を考えます。お取引先やお客様は、あなたの何をみているのかという視点です。
顧客満足の指標となる数値化、見える化の落とし穴です。

●よい人、良い会社、良い国、イー感じ、カワイイというのに理由はありません
直観や印象、雰囲気や感じ方、何より説明ではなく感覚や体感です。あいさつや
ちょっとした仕草、目線の向き、表情や態度が印象をがらりと変えます。
そのわけをずいぶん前に調べました。『良い現場は何が違うか』・・・

それが20の視点、「抜群に優れた現場の指標」というものです。発表してから
だいぶたち、本や原稿でも散々紹介しましたがクレームや反論は全くありません

●見える化ブームのはるか昔のことでした。私たちは満足や忌避、好きだとか嫌
いだという理由は、いつも後付で考えていることに気づきました。

これだけ商品やサービスが乱立していると、差別化要素が見つかりませんよね。
価格はほんの一つの条件でしかありませんから、高い安いでは比べていない事に
気が付かねばなりません。失礼だけれど、「100円ショップ」の製品と専門店
はきちんと棲み分けできているからです。

●円高やユーロ安、株価や景気指標、野田内閣支持率、子どもたちのお年玉額や
マンションの競争率、入学試験の応募倍率など、私たちの身の回りには毎日あら
ゆるデータがあふれかえり、日々数値が変わってゆきます。

ショックだったのは、景気対策としていつも言われているGNPが、2007年
514兆円をピークにして2011年には496兆円まで10%も下がり続けて
いることです。景気が悪いというのは、このように付加価値額が減り、おかげで
利益が減り、給与が減り、貯金金利が上がらず、生命保険の配当が増えずに、貯
金が実際には損になる事態なのです。

●マクロ景気指標はほとんど全滅状態ですから、企業家は必死になってありとあ
らゆる手段で他社の売上を奪おうと激しい競争に明け暮れます。生き残りを掛け
た戦いというのが、実際にも行われているのです。作っても売れない、並べても
売れ残る不景気の代名詞は、「売れない」状況を指しています。だから、売るた
めに競争ではなく値下げ、に走ってしまうのは悪い習慣でしょう。

別の場面では安くても売れない、売れないものは売れない、などと作り方、売り
方への反省も少しずつ聞こえてきました。売る力=営業力だから、営業の仕方を
変えたり、営業マンの気持ちを変えるためのチェンジマネジメントも大流行です

●安ければ売れた時代から流行していたのは、福袋や合売り、併売という方法で
す。お年玉目当ての福袋で今年のデパートは順調に乗り切ったと報じていました
が、売上と利益が直結するように祈るばかりです。売るための経費、値下げの原
資、問屋の負担があって福袋の売り場ができていますから、売上増が利益増とな
り、給与増にならなければ景気まではつながりません。

ややこしい時代であるわけです。景気の実感は消費者の給与や貯蓄を使い小売り
額が増えてゆかねばならないからです。

●日本は遠く昔に貿易産業立国を終えています。自動車や家電というメーカーが
給料を増やしてきた9〜5時工場サラリーマンから、不定期休日の流通サラリー
マンにシフトしています。IT業界はもっと大変、勤務時間はフレックスという
か補足していない実態が多くありますから、働いている実感の割には給与が増え
ません。日本のGNPは60%を家計消費=給与消費で賄っていますので、流通
やサービス業の売上が全体を左右します。

生産額が増えるより、小売り額が増える方が景気への影響は大きく、その意味で
は法人減税と取引した消費税のこれからは出鼻をくじくどころか、買い物するな
といっているようなものです。

●経営では売上を下げることは、顧客満足に反することになります。お客様が納
得しているからこそ、売上が他社より増えて、そのことが他社より顧客満足が高
い証明です。だからこそ、売上を上げるために顧客満足を高めよう、という呼び
かけは誤りです。満足も売上も、経営努力の遅効指標であるからです。

顧客満足のために値下げを止める、という決意が最初にしなければならない覚悟
です。他社よりあなたを選ぶのは、安いからではなく別の理由が無ければなりま
せん。もっとも、情報収集がへたくそで全く同じ商品が隣の店より高いなら、理
由が無ければお客は納得しないでしょう。

●満足につながる感情と指標を考えます。
私の街にセブンイレブンが復活しました。地震液状化で店舗が傾き、8ヶ月も再
開に時間が掛かりました。開店の日には駐車場でお客さんが集まり、開店パーテ
ィーを勝手に開くほど待ちわびていたお店です。

品そろえはヨーカ堂オリジナル商品がずらりと並びます。いわばミニヨーカ堂が
オープンしたようです。セブンプレミアムと題したOEM商品は好調のようです
が、道路を挟んだ前にあるヨーカ堂本店舗と激しい競争になっています。

同じ商品を同じ価格で売るなら、店舗滞留時間の長い大型店が勝つのは明らかで
す。売上の差は利益の差となって、大型店とコンビニで果てしない消耗戦をして
いるかに見えました。

●大型店は20時閉店、コンビニは24時間営業、同じ商品同じ価格、どうやっ
て競争するのは、しかも同一資本で同じ地域、購買力を引き出すには何か手法が
あるのかと2ヶ月観察して分かったことは、お客は大型店には行かない!という
事実でした。店舗の大小で売上は違います、当然利益も違うでしょう。小さなコ
ンビニがどこまで続くかの消耗戦のように見えていましたが、きちんと棲み分け
共存しています。

●競争と棲み分けを改めて考えることが、必要です。見える化という絶対値を目
指すのか、それともカワイイに通じる体感を重視するのか。どちらが効果的なの
かは明らかで、しかも速効があります。

「抜群に優れた現場の指標」をもう一度チェックして欲しいですね。


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業の継続を続けるためには、100年以上の企業が数万社もある反面、災害を契
機に事業停止や廃止となる企業がありました。
救急医療や人命救済に物流マンの役割も高く評価された、今回の事件を通して、
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