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■■□■■  物┃流┃現┃場・見┃た┃ま┃ま・感┃じ┃た┃ま┃ま┃  □
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□■■    2012/2/5 NO.462              □□■
■■     『やっぱり体感重視で行こう』優れた現場は直観重視 □□■□
■      物流改善ヒントhttp://avance-tokyo.com    □□■□□
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■昨年大災害で失われた多くの魂と被害に遭われたみなさまへお見舞い致します。
そして今も全力で奮闘している全国の物流マンに深い敬意と感謝を致します。
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『直観は誤らない、誤るのは判断なのだ』ーゲーテ曰く を所々で思い出す。
品質、サービス、誠意、熱意、やる気すべてに比較する数値はない。悪さ、ダメ
さ、不良、お粗末、こちらも比較数値がない。どれもが体感、直観で感じるもの。

●物流性能を評価する際に利用するのがKPI(キーパフォーマンスインジケー
ター)というのがあるが、これはずいぶんといい加減な指標であることに残念だ
前6ヶ月と比較する品質や事故率、ミスやコスト変化を言うことが多いのだが、
その実前提条件が大きく変わってきていることがある。

扱う商品の荷姿が変わり、作業者が変わる。納品作業や手続きが変わっているの
に、結果の数値だけが一人歩きする。数値は便利だが、物理や化学と違って現場
は前提条件が変化していることを見逃している。

●品質とは何か。きちんと定義したり、基準を設けることはできない。ミス率の
変化はただそれだけであって、ミスの影響は様々だ。同様にコスト変化率もあい
まいな指標として利用されていることが多い。

物流は生産や販売の効率を促進するための活動であって、単独での生産性はあま
り意味を持たない。コストを掛けることによって生産と販売の効率が上がれば、
つまりは利益貢献や顧客サービスが上がれば良しとされるモノなのに、コストだ
けを比較することに、どんな意味があるんだろうか。

●優れたサービスを定義することも難しい。良い感触、楽しい雰囲気、優れた品
質を想像させるサービスは、人の接遇や印象で大きく変わる。

あいさつやアイコンタクトの事実が多くを占めていて、元気の良い明るい言葉は
すべてを物語る。何も手を止め、席を立ち、全員が一斉に顔をお客様に向けるこ
とが良いあいさつだとは言えない。ホテルじゃないんだから、サラ金の事務所じ
ゃないんだから。けれども、顔を合わせてアイコンタクトを避けるようなら、印
象は一気に暗くなる。

ニコリとしろよ、と言いたくなるような売り場や職場が多いのも現実で、愛想の
良い職場は確かに少ない。だからこそ、体感を上げるための工夫はそんなに多く
の要素があるわけではないのだ。

●見える化ブームで多くの掲示物や数値グラフが現場に溢れてきている、しかし
本当に役立つデータが掲示されているかどうか。もう一度確かめる必要があるの
ではないか。

顧客満足指標というグラフがあって、体感とずれているなら自己満足に過ぎない
し、満足指標の最大テーマである売上に直結しているわけではないからだ。

売上は社外の満足指標そのものであり、競合他社と比較して優位にあるから売上
を稼ぎ出している。満足を高められたら、売上が高まらなければ、どっちを優先
するものではない。

●品質はサービスの安定だから、売上の成長率に影響することが明らかだ。顧客
数が変わらなければ、品質の向上は顧客単価の向上につながるはずであり、顧客
数を維持するモノではない。

こうやって体感と経営指標をつなげれば、売上の減少や顧客数、顧客単価の変化
は、現場の体感経営に直結していることに気づくだろう。
質よりも量が必要な経営では、常に新規の顧客を呼び込み、顧客単価の上昇を目
指したサービスの開発が必要になる。

コストは比較レベルであって、生産性はコストで測るが、成長はコストではない。

●成果も体感で測れる、という現実が、給与報酬の360度評価というモノだ。
ベンチャー起業やITサービスの会社で徐々に導入されているのが、この全員評
価給与体系なのだ。

フラットな組織や新しい企業では、先輩も後輩も大した違いがない。全員でチー
ム経営を続けなければならないから、社長も新人も同じように成果を出さねばな
らない。

成果は顧客との体感で実現されるから、従業員同士も体感で評価されるべきモノ
だという思想に従っている。

「あなたの知っている従業員の名前を書き出して下さい」

全員の名前を並べたリストに○をつけてゆく。○の数が報酬であり、評価となる。

●コミュニケーションはどれだけ名前を覚えたか、覚えてもらっているかに多く
の要素がある。親切、ていねい、便利、いい人、頼りになる人、頼もしい人、皆
名前が付いている。

だから360度評価に不満はない。○の数が一つ500円ならボーナスが決まる。
すばらしい制度で皆がやる気になるのがこの制度であり、マイナス要素もあるが
多くは定着してきている。社内に売り込み、社外の評判が直結するからだ。

報酬までもが体感で表現できる、これが新しい組織のあり方なのだ。

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