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■■□■■  物┃流┃現┃場・見┃た┃ま┃ま・感┃じ┃た┃ま┃ま┃  □
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□■■    2012/3/25 NO.467             □□■
■■     『ちょっとずれてる常識観』合理化、効率化、有効化 □□■□
■      物流改善ヒントhttp://avance-tokyo.com    □□■□□
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■昨年大災害で失われた多くの魂と被害に遭われたみなさまへお見舞い致します。
そして今も全力で奮闘している全国の物流マンに深い敬意と感謝を致します。
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政治の混迷が続いていますが、国家に助けてもらえる事自体が怪しい時代です。
今までの助成や補助、支援や規制緩和、免税や支払い猶予。無料化や助成金制度
が雲散霧消するように、突然停止される事が多い行政に頼って良いものかどうか
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●現場や企業は国家の支えを受けているものの、最近では行政が頼りないです。
国家を挙げての産業支援は、かつては効果がありました。「鉄は国家なり」など
と呼んで基幹産業は、その多くを国家と共に世界に進出してゆきました。ところ
が、このような国策業界がその効力を失いつつあります。

電子部品のエルピーダ巨大はアワや倒産の憂き目に遭うまで、国家の意向を無視
する事が出来なかったのです。「半導体やDRAMは産業のコメ」とまでおだて上
げられ、無謀とも取れる積極的な投資による増産体制が完全に裏目に出ています。

●国策業界は、鉄、パルプ、撚糸、通信、銀行、保険、電力、半導体、と時代と
共に一世を風靡した大企業にはなりましたが、激しい景気変動には耐えきれずに
失墜してゆきました。合併、事業提携とは単独での存続が出来なくなった企業の
終焉だからです。

国家の威信を掛けた産業育成に効果がないのはなぜなのか? 国による助成や支
援、規制緩和などで独り立ちして競争力が出来上がると、経営トップに官僚がス
ライドしてきます。すると、時代の変化や変化適応力が急激に低下するのではな
いかと思われます。経営陣に高給取りがぶら下がると、財界活動ばっかりで経営
と縁遠くなるからでしょう。

●国家が介入する業界に成功事例が少ないのは、日本銀行も同じです。55%の
株主として政府が君臨しているかのように見えますが、実態は45%を保有する
民間株主=誰でしょうか?の意向に沿わされているかのようです。

時代を見る目や金融政策は、どうしても国益を重視しているとは思えません。
輸出産業(代表的な自動車、電機、機械、合わせて40兆円産業)にとっての円
高は、とても厳しい外部変化ですが、そのために100兆円もの外貨準備を蓄え
る必然はないでしょう。輸入業者の支払いのためのドル預金ですから、外貨準備
という役割はありません。日銀は円高介入として、特別国債を発行して円を市場
から吸い上げて、ドルを買います。よってドル債が90兆円も積上っているので
す。残念な事に1ドル120円近辺で買い上げたのが今までの平均値ですから、
多いに為替損を出しており、その額25兆円ほどですから増税や財政不足はここ
に極まっている訳です。

●円高介入は輸出産業のための、業界支援であり、助成やサポートです。輸入産
業は「よけいな事してくれるな!」という悲鳴でしょうし、小売り流通業界も円
高大歓迎のはずなのに。

日本はずいぶん昔、対米貿易黒字で景気が高まった時期が確かにあります。今は
対米貿易ではなく、対中貿易が中心ですから「貿易が伸びると景気が良くなる」
公式は当てはまりません。高額商品を輸出している訳ではなく、原材料や部品な
どの低価格商材が主流だからです。日本の主力産業はメーカーから、流通サービ
スへ完全にシフトし、景気を支えるのは流通サービス業になっているからです。

消費が活発にならないと景気は高揚しないのです。その意味では賃金の上昇が最
も効果的な景気浮揚策なのに、国策はそうならない。政治家もそんな事は考えて
いない。なぜなんでしょうね? 常識観がズレまくっているとしか思えません。

●昨日までの常識が今日は非常識なる、そんな事が「変化の時代」の特徴とも言
えるでしょう。物流業界もメーカー生産物流から、小売り流通物流へ大きくシフ
トしているのですが、まだその実感を想像できないでいる企業が多いのです。

小売流通の物流がネット通販であり、宅配貨物であり、B2Cと呼ばれるものなの
にです。倉庫も配送センターも情報システムも様変わりして、生産物流はすでに
製造工場と一体化し始めています。物流は量の科学なので、量が減るなら物流業
界は上流下流工程へどんどん進出してゆかねばならないからです。

●合理化や効率化も、量が減るなら設計条件を改めなければなりません。明日の
仕事が今日より減るなら、懸命の業務改善が全く意味をなさないこともあるから
です。

1年を52週で見ていると、大きなトレンドが確実にあることが分かります。
月次で見ていると天気やイベントに左右されがちですが、昨日までの52週分を
さかのぼれば、常に決算指標が手に入るのです。電機業界が携帯電話の輸出で大
やけどをしたのも、年度のトレンドを見れば明らかで、韓国勢力の脅威をビビッ
ドに反応した日立と三菱電機は巨額の赤字を出さないで済みました。

あなたの業界、売り上げはどうですか、顧客別変化は、経費の内訳は、目先の変化
は分かりにくいけれど、長期傾向は確実に変化しているはずです。物量が減るなら、
改善や効率化の仕掛けも変化させなければならないはずです。

今までの常識を一度疑ってみる事、これも変化対応策の一つなのです。
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