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■■□■■  物┃流┃現┃場・見┃た┃ま┃ま・感┃じ┃た┃ま┃ま┃   □

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□■■    2012/8/25   NO.482                       □□■

■■     15周年『儲ける、いくら、どうやって』サービス業界 □□■□

■      物流改善ヒントhttp://avance-tokyo.com       □□■□□

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★★8/28(火曜)終日講習 日本IE協会『現場でできる物流改善』★★

    〜〜物流現場にはびこる問題点を見つけ、速効解決する〜〜

物流活動ではいっそうのコストダウン、スピードアップ、品質サービスや高度情
報化、グローバル化に際しての新しい機能実現を期待されています。 
これらの難題解決策を「現場レベルのテーマ」「投資を伴わず」「最少最短工数」
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多種多様な商材の物流現場で問題解決実績をもとに事例紹介や簡単な演習により、
即座に応用できるよう実践的に物流改善を進めます。
製造流通業の物流部門、物流事業者の実践的セミナーです。 

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★★★思えばずいぶん続けてきました、15年目の夏★★★

長年の読者の皆様には感謝申し上げます。ようやくというか、何とか中断期間を

乗り越えてメールマガジン15年目の夏を終えようとしています。コンサルティ

ングの業務報告を兼ねたお手紙として始めたメールマガジンは、いつからかは誰

でも読んで頂けるように複数の配信会社を経由して、皆様のデスクPCに届くよ

うになっています。480回は多くもなく、少なくもない回数ですが、毎月3回

の配信は結構苦労しました。物流や営業の現場を見て、感じて、説明して、それ

でも足りないことを改めて記しています。特定の方々には、ズバリ意味があるメ

ッセージでも部外者の方には、???という内容も多かったと思います。懲りず

に飽きずに読者でいらしたことに、本当に感謝致します。さらに続くのです。

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●企業はいくら儲ければ良いのでしょう。どうやって、そしていつまで儲け続け

なければならないのでしょうか。資本主義だし会社本位の社会だから、もうけは

なにより必要だし、いくらあっても足りないはずと思いがちですが、日本の風土

では「カネを儲けて何が悪い」と開き直らねばならないように、儲けすぎは嫌わ

れるのは<村上ファンド事件>でも明らかでした。もうけを追求することをマス

コミも庶民も許さなかったから、小さな証拠を元に大きな罪で社会から葬りさら

れてしまったのです。

 

●企業はいくら儲ければ良いのか? 参考にできるのが上場会社の株価でしょう。

日本とアメリカの平均株価は100倍の開きがあります。8/20のニュースで

は、アップルの時価総額(株価*発行株数)が50兆円と世界一になったとあり

ました。公開企業はいつも、どんな瞬間も自社の株価を気にしています。上がっ

たか、下がったか、公開当初からどんな推移なのか。

株価はどうやって決まるかは様々な理屈があり、村上ファンドのように割安の株式

を手に入れて、『株主への配当を迫る物言う支配者』と話題になりました。

 

●ふつうは、PER(パー、アーニング、レシオ)といって、発行株数一株当たりの

想定利益の何倍になっているか、という見方をします。

日本では18〜20倍というのが相場、アメリカは少し低くて12〜15倍という

状況にあって、もちろん毎月変わります。世界の平均では13倍くらいでしょう。

一株あたりの利益相当額の10〜20倍が株価とすると、経営者は株価を上げると

いう目的のために、利益計画を立てるようになります。それでも最初は目の子、翌

年からは前年比較で伸び率を定めるのが人情ですから、いくら儲ければ足りるのか

という答えにはならないかも知れません。

 

●企業はどうやって儲けるのか?

儲けるには3通りしかありません。それは、貯めるか盗むか、知恵を使うことです。

 

1)少ない利益をたくさんのお客さんからいただく、薄利多売という方法で皆さん

が喜びます。儲けるヒトも儲けさせているお客さんも、ということです。

 

2)裁定取引を利用する。安く買って高く売る、相場を利用する、地域を分ける、

情報を活用する、誰よりも早く仕入れて遅く売る。自然界は不平等のかたまりです

から、高い地域や安い地域が実際に存在するので、貿易が成り立ちます。株で儲け

るとは、こういう事です。

 

3)自然から盗む。天の恵みをお金に換えるのが第一次産業ですが、誰もが平等に

手に入れられる幸せを金に換える知恵があれば、これが生きてきます。一次産業は

天候や気候に左右される厳しい職業ですが、もっとも古くからあるお金を産み出す

しくみと言えるでしょう。

 

その他に知恵というか、法律や制度を自分の有利になるように仕向けるのも方法で

す。規制産業というのは、日本の戦後の復興を推進するために海外からの参入を拒

否して、弱小企業群が安定して成長できるように料金を定めたり、企業に有利にな

るような様々な法律を定めてきました。

 

●銀行業はいまだに規制産業です。資金を集めて運用して収益を上げるために、特

殊な規制法律を持っています。預金準備率というのは建前は銀行の倒産による資金

の散逸を防ぐために日本銀行が預金の一部を強制的に積み上げさせる仕組みです。

ところが本音は、準備率が0.1%のために、1億円の預金を集めることができれ

ば、事実上1000億円の貸出が可能となり、その利息が最低でも2%ありますか

ら、20億円の利息収入が約束されています。1億円が20億円になるのが、銀行

のビジネスで、しかも規制や法律で守られています。

 

●規制や法律はこのように、ずいぶんと理不尽なでもびっくりする構造にあること

が、長い歴史の中では登場してきます。最近の再生エネルギー全量買取制度も同じ

ように、ビジネスとしても首をかしげるような構造になっています。

つまり、太陽光発電を行うと20年間に渡って固定価格で買い取る契約になってい

ますから、投資したお金は必ず回収できるし、しかも相当な利回り(利息を稼げる)

状態になっています。

 

物流倉庫の屋上に太陽光パネルを設置して買電事業を計画しようとすると、

1KWHの固定買い取り価格が42円、発電のための設備投資が1KW当たり30万

円なら、20年間で投資は2倍以上となり、利回りは7〜12%になります。しかも

太陽は天の恵み、料金は法律によって電気を使用する家庭や企業から一律の負担金で

まかなうようになっています。

 

エコカー減税、家電エコポイント、エコ住宅減免制度は、自動車家電住宅業界への国

策支援策として、国の予算=税金を使って実行されました。全部合わせれば3兆円ほ

どの税の利用ですが、再生エネルギー全量買取制度は税を使いません。月々の電気料

に上乗せして、みんなが支払うことになっています。

 

●物流業界では儲けることが難しい時代になってずいぶんたちます。運輸業界も倉庫

業界も規制産業から、認可事業となって誰でも自由に参入ができるようとなり、競争

が激しく、料金は最低原価まで下がってきています。輸送と保管で儲けるためには、

どれほど規模を拡大して間接費用を圧縮できるかに掛かっていて、大小二極化の業界

では、勝ち組だけが明らかになってしまいました。

 

残されている事業は、物流サービス事業で多くの人手と作業を伴う工場のような仕事

が唯一の付加価値や粗利益の取れる事業になっています。

流通加工や物流作業をどれほど省力化しても追いつかず、結果的に非正規雇用者のパ

ート&バイトに頼る用になっています。時給1000円で1500円の仕事を作るこ

とが求められているのです。そのために、作業改善や物流改善がいつまでも必要にな

っているのです。

 

●サービス産業はヒトを資源とした再生不能の仕事。という事の意味が大切です。

物流は毎日似たような仕事を続けていますが、やり直しが効きません。瞬間、瞬間で

仕事が終わり、次の仕事はまた別の商品やお客様の向けのモノになっています。

販売や生産は交換や再生産ができる、再生可能ビジネスと言えますが、サービス業だ

けは違うのです。

 

ですから、瞬間をマネジメントするための難しさと同時に、それができることによる

高付加価値ビジネス、例えば医療や治療というものが代表的ですね。

患者さんが満足する治療を行えれば、それは全世界に向けていくらででも販売できる

ことが可能です。儲けることの制限はほとんどありません。

 

儲けることの難しい時代に、あえて考えてみた15年目のメールマガジンでした。

 

 

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