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■■□■■ 物┃流┃現┃場・見┃た┃ま┃ま・感┃じ┃た┃ま┃ま┃ □
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□■■ 2012/11/5 NO.489 □□■
■■ 『どれだけの広さが必要か』倉庫の規模と在庫問題 □□■□
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●人生に必要な広さは、起きて半畳、寝て一畳というのは極端としても、学生時代
のワンルームマンション１０ｍ２から子ども二人の理想的な１００ｍ２まで、およ
そ１０倍の生活スペースにはそれぞれ訳があります。
広い方が良い、といっても子どもたちに個室が必要なのは、中学生からのおよそ
１０年間だけでしょう。それなのに、マイホームローンは３０年も縛られてしま
います。
すると、念願の戸建てもしくは最大の広さの住居を手に入れても、２０年間は広さに
苦労します。使わない部屋が倉庫代わりになり、ローンの支払いを恨むことになる。
だって、個室を必要としていた二人の子どもたちは、独立して家を出て、夫婦二人
で掃除に苦労していることになる。
●人生だって広い家にため息が出るのだから、企業活動に必要な倉庫や収納するた
めの在庫量はいったいどれほどが必要なのか、永遠というか長年の課題でした。
在庫を減らせ、少ない在庫で経営できるなら、総資産回転率が上がり、資金効率が
高まる。在庫はいくらあれば良いのか、そのための倉庫のスペースはどれほど必要
なのか。
●昭和３０年代の通販事業者は、在庫を持ちませんでした。カタログや雑誌広告で
注文を集め、「商品の発送は締めきり後の２週間前後です」という表記は珍しくあ
りませんでした。つまり、売れた分だけを集めて発送する、という在庫ゼロのビジ
ネスが多かったのです。そして、売れなければ問屋やメーカーさんに戻すだけ。
理想的な自社在庫ゼロのビジネス。片方から見れば、リスクを負わない都合の良い
商売だから、すぐに初めてすぐに辞める、覚悟のない商売だと見られていました。
●少し進化して、問屋やメーカーから売りたいという過剰品や過年度品だけのアウ
トレット通販も自社在庫はゼロです。ただちょっと広めの倉庫を準備して、商品を借
り入れて販売する。売れ残りは戻すから、売上と倉庫の関係はほとんど無くて、倉庫
費用は売上の数パーセント程度。こちらも理想的です。往年のカタログ通販ビジネス
は、倉庫と配送に物流費を掛けますから、物流業界最大のお客様。売上の１５〜２０
％も物流費が占めていました。
●年商１億円ならワンルームマンションで独身生活。１０億を越えてくると２ＤＫと
か３ＬＤＫなどと、倉庫もだんだん広くなってきます。１００億円なら数百坪の規
模まで倉庫が必要になるでしょう。それは何故か？
商品アイテムが増えすぎるからです。およそ１０年も事業を続けると、取扱商品はす
ぐに千の商品が必要になります。そしてまた１０年を過ごすと、２千の商品が。そし
て際限なく倉庫は狭くなり、拡張や移転が必要になる。
●通路が在庫で埋まり、入出荷口に在庫が滞留するようになると、「在庫削減の運動」
が始まりますが、だんだん手遅れとなって倉庫が爆発というか膨張してゆきます。
手持ち在庫が２０００アイテムとなる頃には、在庫金額が数億円まで膨れあがり、資
金繰りや金融収支に問題が発生してきます。そして、在庫分析を行うと「過剰在庫、
不活動在庫」が発見されて在庫問題が俄然注目を浴びるようになる。
売れ筋分析のＡＢＣグラフを書いてみると、Ａランク商品で２０％、Ｂランク商品で
３０％残りの半分は、一年に数回しか売れていない、明らかに人気なしのお荷物商品
であることが分かる。つまり、倉庫は半分の規模でも十分じゃないかという意見がま
ともなものに聞こえてくるのです。広すぎる倉庫、それでもあふれかえる在庫。
●在庫問題が真剣に議論されてくると、いったい倉庫はどれほどの広さが必要なのか、
在庫はどれだけ持っていることが適切なのか。
人生にどれだけの広さの家が必要なのか。・・・・同じような悩みが巡ってくるので
す。１０年間の生活のために３０年間のローンを組んで、広いマイホームを持つこと
が幸せなのか。
１００億円の事業のためにどれほどの在庫が必要なのか。その倉庫の広さはどれほど
なのか。答えは最初から分かっているわけではありません。でも、５０年昔のビジネ
スモデルでは、在庫無し、倉庫無しでも時代の先駆けになった通信販売事業が大手を
振るっていたのです。在庫と倉庫の研究余地は十分にあります。
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