物流改善のヒントと最新の現場動向を紹介します。業種を越えた改善手法や最新
の理論と手法を物流現場に導入することができます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■□■■  物┃流┃現┃場・見┃た┃ま┃ま・感┃じ┃た┃ま┃ま┃     □
■□■■   ━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛    □□
□■■    2012/11/15   NO.490                        □□■
■■     『もう、モノはいらない』民主党の時代が終わる      □□■□
■      物流改善ヒントhttp://avance-tokyo.com         □□■□□
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■物流専門誌「ロジスティクス・トレンド」を紹介します。今度発行人になりました。
『ロジスティクスの胎動と潮流を読む、ハンディーなタブレット誌』をコンセプトに、
物流企業だけでなく、広く物流に係わる不動産、建築、金融、ITといった幅広い企業
をターゲットにします。 http://www.logistics-trend.com
物流とシステムに限らず、「不動産戦略」「人材開発」「国際ロジ戦略」「倉庫リノ
ベーション」といった多角的な紙面にします。
■新装創刊号は11月5日発行。テーマは『超大型物流不動産のこれから』と題して、
超大型物流施設の背景にある<意味と意図>を多面的に取り上げています。
★月刊ロジスティクス・トレンド(A4カラー20ページ年12号、税込み1万円)
★見本誌申し込み:info@logistics-trend.com 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■明日、衆議院が解散すると報道されました。そこで3年間の政権交代の意味を考え
てみまししょう。古代ローマ、フランス革命、日本の一揆など政治はいつも税制に関
わってきました。税の徴収とその執行が政治だし、政権の礎でした。自民党の税制は
消費税に代表される大改革でしたが、その実態は・・・・。

 
●少し調べたモノですからひけらかしますね。日本の税収40兆円は、所得税10,
法人税5、消費税15,その他酒税印紙税たばこ税。89年竹下内閣が無理矢理
通した消費税は法人減税と差し違いでした。法人減税はGNPに占める負担率は5
から2%まで下がり、結局法人減税分100兆円=消費税120兆円になっていた
のにはびっくり。

 
少子高齢化で労働者の負担が増えるというのも、生産性向上による一人当たりGN
Pの伸びと労働人口比率67%の安定があれば、実は妄想だったと。生産性が上が
ると失業率が増えますが、この1年間の異常値を除けば増えていない。高齢化は子
供が増えるより、家計負担が下がる好影響。子供服のお得意間はジジババですから。

 
国際競争力の旗の下に様々な我慢を強いてきましたが、OECD30国と比べてみ
てもあまりに貧弱な日本の実情にあきれます。政府の公共投資支出は少なすぎるし
自殺率は異常値、失業手当や貧困率は下からの順位に甘んじています。GNPは中
国に抜かれ、国民の幸福感と投票率は世界ランキング最下位。日本の貧困化が始ま
っています。

 
●民主党の政策は家計部門に向かっていました。選挙公約がそうだったから、投票
行動にも奥さんの意向が強いでしょう。家計簿に優しい政府って、どうなるんでし
ょうね。地域振興券や確定給付金も自民党が選挙目当てに実行しましたが、景気浮
揚にはたいした効果はありませんでした。

 
かといって、法人減税が雇用や給与を向上した証拠もありませんから、最近の政策
が景気に継続効果を与えたことは無かったのかも知れません。民主党マニフェスト
の政策評価もGNP影響は1%前後の誤差範囲。政治も神様も、自ら助ける者にし
か向かわないのは当然なのかも知れません。

 
●小売業に効果が出てこないわけはありません。エコポイント、マイカー減税、高
速道路、子ども手当全部が家計に注入されます。いわば国が値引き策を業界に変わ
って行っていたに過ぎません。自動車7000億、家電4000億、住宅4000
億円の値引き策が売上は上がったけれど、各業界はもう失速しています。公共投資
の削減額がそのまま振替になったのですから、建設業界の嘆きが聞こえるのは、主
力産業の転換の流れでしょう。

 
けれども、あなたは最近どんな買い物をしましたか?
どうしても欲しいものを手に入れましたか。大型テレビ、エコカー、太陽パネル、
着心地の良い服、ランニングシューズ、住宅・・・・。買い物をする人より控えた
人の方が多かったのでしょう。「買いたいものがない」デパート帰りの奥様談話。

 
iPOD、室内ヘリコプター、駿足運動靴、ペット写真のバッグ、・・・やせる、
ぼけない、きれいになる様々な商品サービス以外にヒット商品があるのでしょうか

 
成熟社会の特徴と言えばそうだが、欲しいモノが無いのは不幸せそのものです。
家計を切り詰めてもお買い物に幸福感は先進国の特権です。買えない寂しさを紛ら
わすのは不満の先を見つけること。総ストレス社会になってしまいました。
作るモノを売るのではなく、売れるものを作る、と言われながら財布のことを理由
にするのはずいぶんおかしな話です。真の企業家が少なくなったのでしょう。

 
●買いたい商品を作り出すのが企業なら、価格を下げるのは商売人の単なるコツの
レベルです。売り抜けるためのタイムセールと同じだからです。そこには物流がで
きることは何もありません。低価格で商売するために物流コストを下げよと言うな
ら契約完了とするしか手はありません。一時的な協力は別ですが、7割下げて売る
ためには3倍の物流費で押さえなければならないし、4倍の売上になっても利益が
出せるかどうかは結果次第。ばくちのようなものです。

 
低価格路線で行くなら商品や生産、原材料や機能まで作り込まねばなりません。ア
ジア向け国際商品を作らなくては。日本版の品質や高機能を自慢していては、本当
の低価格競争には勝てないからです。

 
価格で攻める方法と売り方で魅せる方法もあるのです。ドンキホーテは圧縮陳列と
いう単品大量販売だし、ビレッジバンガードは隠れた名作と商品を店主がうんちく
で売り込みます。豆腐は笛吹き売りから陳列に変えたとき、オトコ豆腐なんていう
ネーミングで目を引き、立地の百貨店・小売業は流動量エキナカにはかないません
から、移転を余儀なくされました。

 
お客さんはお買い物もお遊びも1時間千円のタイムチャートで見ているから、ディ
ズニーに行くかイケアに行くかで朝悩むのです。販売の競合はサービス業だし、成
熟消費者には必要なモノなどもはや無くなっているのです。衝動買いが店を支えて
いるし、胃袋以上のモノを売るには電通鬼の十訓のような、えげつない戦法が必要だ
ったのです。

 
売り方に工夫があれば、魅せ方に驚きがあれば、商品にこだわりと差別化が隠され
ていれば、お客の支持は得られるのです。成功事実が物語ります。

 
●小売業は立地がすべてで、次に店舗、品揃え、接客サービスと打ち手が揃ってい
ました。けれどもデパートがコンビニに抜かれたときから、立地とは「ウチに近い
事」に変わり、店舗や品揃えのミスマッチが来店数を維持できても単価と買い上げ
数が下がってきて、百貨店の凋落が始まりました。

 
さてこれからどうする、せっかく家計に注入された数兆円の内需刺激策があっても
店までお客が呼べないなら。

 
通販はリアル店舗に比べて陰でした。格が違うし、生い立ちも違うと言われてほぞ
をかんでいた時代が変わり、通販連勝の時代です。やせる、ぼけない、きれいにな
る商品を独壇場で売り抜けた勢いが様変わりするまもなく、立地に代わる物流サー
ビスの大展開です。

 
天下の名将ダイエー中内さんはNHKインタビューで辛辣な質問に「ご用聞きの心
が足りなかった」と小声で答えていたのを思い出します。小売業のソリューション
に物流があれば、ご用聞き以上のサービスも可能だったはずです。

 
●物流がソリューションになるビジネスはどこにあるのでしょうか。ちょっとのミ
スやコストで責められることもなく、ビジネスパートナーとして労わってもらえる
仕事としての物流が必要とされる業界はどこにある。

 
大量、高速、リアルタイム、真心と代金決済、時空を越えて待っていた商品を届け
ることが、ビジネスの問題解決になる業界とは、そんな企業やベンチャーは無いの
だろうか。ただ運ぶだけ、保管しておくだけの物流には競争が激しすぎて勝算はあ
りません。競争して大きくなるより、資本の技術でM&Aを仕掛けた方がエネルギ
ーも少なく効率的です。規模を大きくすることが狙いなら。

 
最適規模の物流ビジネスは、一人当たり利益や平均給与で測ることができます。
付加価値と物流コスト負担力のある商材やサービスがきっと見つかるはずです。

 
民主党政策に100万社ベンチャー育成制度が挙げられていました。既存法人300
万社を入れ換えてでも、新しい産業がこの国には必要なのです。貿易額は170兆円、
小売業界は140兆円、家計消費は300兆円だから、外需に頼らない景気回復を
起こさななければなりません。高齢化してゆく我が国の消費者に必要とされる産業が
100万人の新社長によって生まれてくるのです。

 
物流がソリューションとして求められているはずなのです。

 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★★★★★ WEB書店で好評・増刷! 物流問題解決の糸口を斬る ★★★★★
★日刊工業新聞 『物流リスクマネジメント』¥2100
http://pub.nikkan.co.jp/books/detail/00002297
★日刊工業新聞 『物流改善Q&A100』 ¥2310
http://pub.nikkan.co.jp/books/detail/00002220
★日刊工業新聞 『見える化で進める物流改善』¥2310
http://pub.nikkan.co.jp/books/detail/00002079
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
電子メールマガジン【物流現場 見たまま 感じたまま】
■発行者 株式会社アバンセ 花房陵   http://www.avance-tokyo.com
■ご感想、ご意見、ご質問は返信   mailto:hanabusa@avance-tokyo.com
■FACEBOOK:Ryo Hanabusa
★★★このメルマガをあなたが気に掛けてくれて、誰かに伝える。そして読んでくれ
て、また気に掛けてくれて、誰かに伝える。そんなことを繰り返すと100の4乗は
1億だから全国民が読むことに。やっぱり世界は狭く、友達の輪は広い
【物流現場 見たまま 感じたまま】創刊は 1998/8/20 発行15年記念★★★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━