物流改善のヒントと最新の現場動向を紹介します。業種を越えた改善手法や最新
の理論と手法を物流現場に導入することができます。

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■■□■■  物┃流┃現┃場・見┃た┃ま┃ま・感┃じ┃た┃ま┃ま┃   □
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□■■    2013/2/25 NO.500                  □□■
■■     『物流施設に組織を置く』S&OPという先進   □□■□
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■物流が経営の話題に上がったのは、景気低迷なのに物流コストと在庫が減らないか
らでした。そこで、経営は物流の重要性と戦略性を訴え、「物流は企業のかなめ」と
言い出したのでした。ところが、物流現場は遠く離れた土地に置かれ、通信技術で繋
がれた遠隔操作のマシンとして扱われています。今、S&OP:セールス、オペレー
ション、プランニングというコンセプトが登場しました。販売計画があって、生産や
購買を行い、儲けようではないか。分かりやすい基準ですが、この実現には高度な情
報システムが必要なのです。無くても大丈夫な方法、あるのですけどね。

●倉庫に事務所や営業部門を置いていた企業の理由は、コストでした。都市部に営業
事務所を構えると、家賃が坪当たり2〜6万円。かたや倉庫では数千円でしたから、
お金を大事にしたいので、営業所も事務所も倉庫に併設していたのは、立ち上がった
ばかりのニュービジネスやSOHOのような小規模事業者でした。

いろんな部門は集まってのワイガヤ経営は、それはとても楽しいもの。家族経営とか
情報共有とかがすぐにできていて、従業員が増えるまではワンパックの手軽さがあり
ました。規模が増えるにつれ、事務所の分散化と物流の分離が始まります。

その逆もありますよね、営業所に倉庫があって、倉庫だけが集約されていく姿も「成
長しているんだ」という実感が沸くから、良い傾向として見られていました。

これを、商物分離(営業活動としての商流と物流が分かれていく合理化の姿)とみな
していました。

●規模が大きくなると売上は伸びても利益率が下がっていく、経験曲線のズレが経営
の悩みです。

そこで生まれてきたのが、究極の経営哲学としてのSCM。営業、購買、生産、物流
の情報共有と迅速化によって、在庫を減らしてコストを下げ、売り逃しをなくそうと
いう哲学です。

理想的なコンセプトですが、実現するためのハードルが高かった。情報システムは
専用に開発され、各部門の計画と実行実績が共有されようになりました。在庫は削
減され、物流コストも売上に変動するようになってきてはいます。次は社内を越え
て、取引先まで接続できるようになれば完成。ただい、解決しなければならない課
題が山積みというのが現実です。

●営業部門と生産部門は行動様式が異なるからです。

売上を上げたい、コストを下げたい、に代表される行動基準は、金額と数量という
データに注目します。「いくら売ったのか」「いくつ作ったのか」いわば、情報
を共有していると入っても、中止している数字データに違いがあります。

在庫を見る目も異なります。在庫金額と在庫数量です。

売上を伸ばすためには、在庫が増えても構わない。変動化ならば許される、という
錯覚が営業部門には残っています。生産部門は欠品や品不足を無くすために、販
売計画以上に品揃えと在庫の積み上げを許しがちです。しかも、調達生産単価が
下がっていくので、在庫が増えることには抵抗感がありません。

SCM本来の目的だった、在庫削減とコスト削減の両立はこのようにして、足元
から崩れていくのです。収納場所と在庫拡散のために、現場担当者は走り回りま
す。物流部門の悩みは、在庫金額以上に数量問題が悩みです。

●SOHOやスタートしたばかりの企業は、在庫と営業生産は一体化しています
から、物流在庫を見ながらの営業活動です。目前にある在庫を売らねばイケナイ
、入荷した商品は直ちに販売しなくてはイケナイ、倉庫に入るだけの在庫で、販
売計画も生産計画も立て無くてはならない。「入らないから、当然だ」という共
通認識が嫌でも身についていました。

商物分離した途端に、この行動様式は失われます。情報システムで在庫情報は共
有化されているはずだから、という理由があるからです。
SCMをどれだけ声高に叫んでも、在庫が減らず、コストが下がらず、利益率も
好転しないのは、誰も悪くないし、誰も違反しているわけではないのです。

在庫が増えている、ただひとつの理由が原因なのです。
そこで、在庫と共に営業生産をすればいい、再び倉庫に本社を移して、それぞれ
が在庫を見ながら活動しようではないか、という運動が起きています。
金額と数量を計画のベースにして、在庫を抑えながら売上を確保しよう、とい
うSOHOなら当たり前の行動を原則にすることがS&OPのコンセプトです。

●ところが、行動な新しい情報システムがなくても、この理論は実現可能です。
倉庫にいればいい、在庫を見ていればいい、増えたら売る、減ったら作る、いつ
も在庫を見ていることで、結果的に利益率は上昇してくる。これがS&OPの
目指している姿なのです。

成功するためには意外と単純なことを徹底すればいい、でも企業は成長と共に
複雑化していく、やっかないなものなのです。


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