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□■■    2013/3/25 NO.503                       □□■

■■     『在庫はなぜ減らないか』誤った指標と数値管理    □□■□

      物流改善のヒントhttp://avance-tokyo.com       □□■□□

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■需要が蒸発して工場が止まり、在庫が増えているのか減っているのか。誰

もが在庫削減を唱えて努力しているはずなのに、在庫金額は膨れ上がり、顧

客からは欠品のクレームに明け暮れる。在庫=未実現利益があっても、当社

にはキャッシュが足りない。このままでは黒字倒産の恐怖が忍び寄る。

●物流現場に限らず、会社人は努力をしています。先輩から引き継いだ業務

はそつなくこなし、自分なりの創意と工夫で限られた時間の中で最善を尽く

しています。
物流作業や配送業務は体を使うので、努力と疲労によって自己満足を得るこ

とができます。

会社の方針にいつも上がっている在庫削減、販売チャンスロス撲滅、・・・・

誰もがそのつもりで努力しているのに、いつも結果が伴わない。どこかがおか

しい、誰かが間違っている。20世紀の最大の発明は印刷とマネジメント。情

報は間違えずに伝わり、読んで再確認できる。権限と責任によって分離された

組織内では、最大効率の最小エネルギーで職務が分割され、システム化によっ

て間違った意思決定が絶対にできないようになっています。

けれども在庫は膨らみ、納期が遅れます。

在庫が増えるので生産調整=減産をしているはずです。売れ行きが少なくなっ

ているので、在庫がだぶつき増えているのです。販売条件を変えて抱き合わせ

販売や販促を掛けると、その途端に欠品が起きてクレームとなる。どこかがお

かしい。

●在庫を管理するマネジメントの失敗

テーラーの監視やフォードの分業、ドラッガーの組織によってマネジメントが

完成したのは、20世紀の最高発明と言っていいでしょう。より少ないエネル

ギーと単純な命令で最高のパフォーマンスを生むことができました。効率化の

最高峰です。

人やもののマネジメント手法のうち、在庫理論(モノと金)については発明が

されていません。たくさん作るのが難しかった時代に、金利がものすごく高く

て自己資本では生産も在庫確保もできなかった時代に完成したのが、経済的発

注方式という在庫理論です。

金利を含めて在庫コストと通信技術がなかったときの発注コストの合計が最小

となり、欠品による販売チャンスの最小となる方法で、量と期日を決めた発注

をせよ、というのが正式な理論です。誰も見向きもしません。そんな理屈は先

輩は話していなかったし、すでに前提条件がなくなったからです。

安い条件で生産し、欠品が起きないように発注する。この醍醐味は生産手配担

当者しか味わえない絶頂感と絶望だからです。成功と失敗はめまぐるしく毎月

起きています。予測の間違いか?精算や調達のミスか?営業の販売計画のブレ

か?

 

原因は様々で結果は惨憺たるモノ。在庫総額はちっとも減らず、肝心の商品は

不足や欠品で物流現場は混乱しています。

100枚のオレンジTシャツ、サイズはそれぞれ20,50,30枚。
これは多いか少ないか。総額は@500で5万円の在庫金額。これが多いか少

ないか。誰がわかるんでしょう。

生産調達の担当者は100枚あるよ、という在庫情報を使って今日何をするん

でしょう。
営業はMサイズ10枚の注文をもらって、誰にどんな話題を投げかけるのでし

ょう。
物流担当者はMサイズ10枚の出荷を終えて、総在庫が90枚になった時、誰

に何を報告するのでしょう。

ここに在庫管理結果のマネジメントが欠落していることがわかります。誰も何

もアクションができません。何か行動を起こしたとしても、それが正しいかど

うかもわからないのです。

在庫情報という印刷で情報が共有化され、手配、販売、出荷の担当者が分離し

ていても、協調することは何もありません。もっと売るのか、速く作るのか、

再び商品を数えなおして在庫報告を再確認するのか。

●JIT方式、トヨタ生産方式はプル情報

必要なモノを必要な時に生産現場に送り込み、いつでもどんな条件でも1個流

しに徹すれば、コストと完成品在庫は最小になる。・・・・その通りです。一方

の都合を他方に押しつけている、というより一方からしか事実を見ていません。

必要なモノを準備する側や在庫で確保する側、・・・在庫のプッシュ側の理論が

落しています。いくつ揃えておけば良いのか、在庫は多いのか少ないのか。

自動車業界は生産計画(完成車両のセットアップ情報)を共有化しています

から、明日どんな部品が何台分必要なのかは、いつでもわかるようになってい

ます。
擬似的SCMが完成しています。あさっての計画や来週の計画も共有化されて

いますが、最近はこの計画がどんどん下方修正されることになるので、みんな

大騒動なのです。

さてプッシュ情報ですが、生産計画が正しくて変更がなければ、部品の生産リ

ードタイムとその他の都合で自己責任を発揮すれば済みます。
つまり、1週間の生産台数分の部品を在庫しておけば良いのです。問題は生産

計画が当てにならないときです。予測しますか、目をつむって当てずっぽうで

作りますか。ここには在庫管理の理論がありません。経済的発注なんて全く関

係がありません。

●生産と調達のリードタイムは知っているなら、売れた数量がわかれば良い。
それ以上の情報は雑音になります。

100枚のTシャツ在庫は、今日何枚売れたのかがわかれば良いのです。
仮に10枚売れれば、あと10日分は安心していられますから、2〜3日立っ

てから生産なり調達なりすれば良い。

今日10枚だったけど、明日50枚売れたら困る。あさっては欠品だからです。
では、明日の販売を予測できるか?・・・無理に決まっています。あさっては

あきらめるのが、最善です。

もっと最善なのは、過去を振り返り、50枚売れた日があったかどうかを調べ

てみる。すると、知恵は移動平均を使って過去90日分の出荷枚数を調べるこ

とになります。一日平均15枚売れていることがわかれば、在庫90枚は6営

業日は欠品の確率が最小になります。(50枚の注文が入る確率は低い)


こうして、在庫情報の100枚は多すぎるのか少なすぎるのかが、営業も生産

も物流もわかるようになり、在庫金額5万円は資金としてどれだけ無用か、重

要かも財務経営者にもわかるようになります。

ポイントはアイテムで調べること、見ること、考えることです。総在庫のほと

んどは売れ残りだからです。よく売れる商品は在庫金額に含まれないからです。
いわばB,Cランク品の2000アイテム程度をこのような調べ方をしておけ

ば、プッシュ情報をつかんだことになるのです。

●在庫を総論や全体数量、全体金額でも見ても意思決定はできない

むしろ営業ベースで日商に換算したとき、在庫金額は10日分で良いかどうか。
季節変動や新商品も含めて、アイテムで調べてゆけば、10日分以上の在庫は

過剰だし、早期処分の対象です。5日に維持できれば海外からでも調達は間に

合います。

物流情報のアイテム別出荷数量だけで、これだけの事がわかり、各部門は行動

を起こせるのです。このマネジメントをなんて呼びましょうか。

21世紀の発明には違いないと思うのです。

 

 

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