二つのさいころがあり,各面にという目が書かれている.
これらのさいころについて,のさいころの各面にはの目のシールを
貼り,のさいころの各面にはの目のシールを貼った.
 はじめに硬貨を投げ,次にのさいころを同時に投げる次の試行を行う.
●硬貨を投げて表が出れば,両方のさいころのシールをすべてはがして二つのさいころ
を同時に投げる.
●硬貨を投げて裏が出れば,両方ともシールをはがさずに二つのさいころを同時に投げる

 この試行について次の問いに答えよ.ただし,シールの有無にかかわらず,さいころの
各面の出方は同様に確からしいとする.

 二つのさいころの目の和がの倍数になる場合は,硬貨を投げて表が出たとき
通りあり,裏が出たとき通りある.したがって,この試行において
二つのさいころの目の和がの倍数になる確率はである.
また,目の和がの倍数であるという条件のもとで,二つのさいころの目の差が以下で
ある条件つき確率はである.
 この試行における二つのさいころの目の和を表す確率変数をとする.
硬貨を投げて表が出たとき,同時に投げた二つのさいころの目の和の平均期待値
であり,その分散はである.
硬貨を投げて裏が出たとき,同時に投げた二つのさいころの目の和の平均は
であり,その分散はである.
したがって,この試行におけるの平均であり,分散
である.

  二つのさいころの目の和がの倍数になる場合は,硬貨を投げて表が出たとき
 
 通り.硬貨を投げて裏が出たときも,
 
 通りある.
 したがって,この試行において二つのさいころの目の和がの倍数になる確率は,
 となる.
 また,目の和がの倍数であるという条件のもとで,二つのさいころの目の差が以下
 となるのは,上記の通りのうち,該当するのは,
 
 通りだから,求める条件つき確率は,
 となる.
  硬貨を投げて表が出たとき,同時に投げた二つのさいころの目の和の確率分布
 は,以下のようになる.
 
 よって,求める平均期待値
 
 +
 また,その分散は,
 
 +
 硬貨を投げて裏が出たとき,同時に投げた二つのさいころの目の和の確率分布
 も,上記と全く同じで以下のようになる.
 
 よって,求める平均は,その分散はとなる.
 したがって,この試行におけるの平均は,であり,
 分散は,となる.